遂に頂上へ

遂に頂上到着

ココ・クレーター 頂上 ハナウマ湾
頂上から見たハナウマ湾
ココ・クレーター 頂上 サンディ・ビーチ
サンディ・ビーチ方面
ココ・クレーター 頂上
頂上から北を見ると山の中腹に一軒家が
ココ・クレーター 頂上 ハワイカイ
左上がダイヤモンドヘッド、右上がワイキキ


 そしてついに枕木の階段の終点が見えてきた。傍らに先ほど私を追い抜いていった、大柄で坊主頭の若いお兄ちゃんが休憩のため腰掛けていて、必死の思いで登ってきた私に拍手を送ってくれた。思わず苦笑いである。

 お兄ちゃん、ともかくここへ来て休めと指し示してくれる。お言葉に甘えて座り込み水を飲む。

 息を整えて、「ものすんごい登り道でやんした」と挨拶すると、「そうなんだよ。でもここは景色がとてもいいんだ。もう少し登って裏のほうへ行くとゴルフ場が見えて、さらに美しい景色が広がるよ」と親切に教えてくれる。

 試しに「ここには何回ぐらい来たことがあるんでございましょうか」と尋ねると、「今月は3回目だよ」と教えてくれた。

 道理でペース配分が分かっているわけだ。話しているうちに息が整ったので、御礼を言って裏のほうに回ってみた。

 これまではハナウマからハワイカイにかけての絶景だったが、今度はサンセット・ビーチ方面の絶景が広がり、手前にお兄ちゃんが言っていたゴルフ・コースが見えていた。大変な上りだったが、来た甲斐があったというものだ。

 ちなみに上りに要した時間は1時間。地図を見ると距離的には1kmぐらいだろう。さて頂上で30分ほど休憩して、今度は下りだ。最初は息も上がらず快調に降りるが、段差が大きいためまともに真っ直ぐ降りられない。

 横向きになって、カニのように降りていく。しかも降りるために踏み出した足の負担が意外に大きい。足の付け根に全体重がガツンと響く。段数が多いので、同じ向きで降りていると段々と足が痛くなる。

 向きを変え再び降りる。先ほどの急勾配の手前では、階段が急激に落ち込み、先が見えない。いきなり空中に放り出されるような錯覚を覚える。

 スキー場で急斜面に行った時、向こう側が見えないのと同じようだ。急勾配の下りはきつかった。足への負担がさらに大きくなる。

 下りは私より身長の低い息子にとってはさらに辛いようだ。それでも降りないことには帰れないので、休み休み降りる。

 途中振り返ると頂上が見える。改めて、あんな所まで登ったんだなあと感慨深い。一方正面には絶景のパノラマが広がっているのだが、如何せん足元に注意していないと急勾配の斜面を転がり落ちてしまいそうだ。

 それでも上りよりは遥かに早く急勾配部分を下り終え、後は緩やかな勾配の階段だけとなった。ほっと一息だが、ここまでの酷使で足のほうがよろよろし始めている。足が笑う状態だ。よ〜く慎重に足を踏み出さないと、体全体がよろけて階段から外れてしまいそうになる。

 ふうふう言いながら、ようやく一番下にたどり着いた。足全体にじ〜んとした疼痛を感じる。よろよろしながら駐車場に戻る。あらためてココ・クレーターを見上げ、「よく行ってきたなあ。しかしこれが最初で最後だろうなあ」と思う。しかし傍らで息子は「すっげー面白かった。また来たい」なんぞとほぞいている。困ったもんだ。

 車に乗り込みワイキキに向かうが、自分が意識したとおりに右足が動かず、余計な神経を使うことになった。ブレーキを踏むとき、アクセルから足を持ち上げるのが辛い

 あらかじめネットでココ・クレーターの登頂記はいくつか読んでいたが、ひじょうにしんどいのでやめたほうが良い、という記述にはついぞお目にかからなかった。私はこの場で恥を忍んではっきりと記しておきたい。

 ダイヤモンドヘッドの10倍ぐらい疲労度があること。50代以上は、スポーツをやっている方以外は避けたほうが無難。10代から30代位までの健康な人が挑戦するには良い場所。心臓等に病気がある人は絶対に避けるべし。水と帽子、カメラは必携。以上。



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