ハワイに向けてGO〜〜〜!!!

手荷物検査で違法なスプレーを所持していたことが発覚、没収される

 長い退屈な時間つぶしを経て手荷物検査に向かった。我々の飛行機がこの日の最後のフライトになるのか、レストラン街もめっきり人が少なくなり、さらにチェックインカウンターにはほとんど人がいない。手荷物検査もあっという間に通過出来るはずであった。

 手荷物検査をうまく通過するために、家族には事前に液体物は不可、電子機器や金属等で出来ているものはあらかじめ手荷物から取り出しトレイに載せてしまったほうが良いと伝えてある。

 一同その言葉通り、許される範囲の液体物、電子機器、金属製品をトレイに入れ、しずしず?とゲートをくぐる。人間のほうは問題なかった。ところが息子の手荷物の中で液体の反応があると係官が言い出した。息子に聞いてもそんなことはないはずと不思議な顔をしている。

 しかしその言葉で納得するような甘い係官ではなかった。中を調べさせてもらいます、と言い、私や息子の返事も待たずに中に手を入れて探し始めた。なんと無作法なとも思ったが、それが仕事であり、こちらは違法行為をした疑いがかけられているので、とりあえず黙って従った。

 とそのとき息子が突然「あっ!」と声を出し、「あれかな」と言い出した。と同時に係官がつかみ出したものは卓球のラケット入れ。息子は今卓球部に所属していて、帰国後すぐに練習試合を控えていたので、ハワイでも素振りをするためにラケットを持参したのだ。

 そしてその中にはラケットだけではなく、ラバークリーナーと言われるスプレーが入っていたのである。これは私も気がつかなかった。

 係官の方は、故意ではないと判断してくれたようだが、規則は変えられないのか、「これは没収させてもらいます」と一言告げて机の下に放り込んでしまった。残念だったが、息子にはよい勉強になったと思う。


出国審査を通過

 我々は4人で行動しているが、車椅子は出国審査のブースの中を通り抜けるのが難しいようで、介助者一名と車椅子に乗っている者一名が別の場所で審査を受けることになった。素早く判断して、私と息子は通常の出国審査、連れは母親に任せた。

 見ていると審査会場の左端に誘導され、そこで駅の改札のように係員がパスポートやチケットをチェック。そこは一直線のちょっと広めの通路で、車椅子が自由に出入りできるようだ。待合室に到着すると、座席はほぼ満席で、ハワイ人気の高さが伺えた。


搭乗

 よく搭乗時に、「お体の不自由な方や幼児をお連れの方は・・・」というアナウンスがあるが、今回はまさにそれに該当するわけで、離陸30分前に係員が現れて、優先搭乗する旨を伝えに来た。

 このときは4人一緒である。チケットとパスポートを各自が持ち、チケットの半券を受け取り搭乗口へ。このとき搭乗口までは係員が一人つきサポートしてくれた。

 途中小さな段差や傾斜があるからだと思う。健康な人ならまったく気がつかない段差だ。ちなみに車椅子は前輪の直径が小さいため、段差に非常に弱い。高さ数cmの段差に普通の歩行速度でぶつかると、衝撃で乗っている人の体はかなりの勢いで前のめりになる。またちょっとした坂道の下りでも体が前のめりになるので、くだりは後ろ向きに下りるのが原則である。

 もちろんこれらの例は上半身の支えがしっかりしていない人の場合であって、我が家のように多少歩けるような場合は自分で肘掛をしっかり持っていれば、それほど危険なことはない。それでも滞在中何回か段差にぶつかり、体が前に倒れそうになった。

 さて搭乗口で車椅子を降りると、今度はすかさずフライトアテンダントが連れの片手を支え、機内へ誘導してくれた。障害のある客にかなり神経を使っている様子が良く分かった。

 車椅子のほうは折りたたまれ、いつの間にかどこかへ運ばれてしまった。本人が歩けるので、たぶんスーツケース等と一緒に保管されるのだろう。車椅子にもスーツケースにも車椅子マークのついた帯が貼られている。


機内

 席に落ち着いてしまえば一安心だ。まだ一般客は乗ってこないので、落ち着いて手荷物を棚の上に上げ、ゆっくりと座席の上のブランケットや枕を好みの場所に移動する。

 前の座席の背もたれに収納してあるパンフレットやオーディオガイドなんぞをパラパラめくっていると、一般の人たちが乗ってきた。見る見るうちに座席が埋まっていく。期待に満ちたざわめきが周囲に広がるころ、軽いショックがあって飛行機が後進を始めた。いよいよ出発だ。

 定刻の10時に離陸。スムースに上昇し、すぐに機内食が出てきたが、これは期待に反する内容だった。ちゃんとした夕食メニューが出るのかと思っていたが、これは軽食だ。離陸時間の関係だろうか。ちょっと不満を感じながらも、アルコールの勢いと導眠剤の作用でだんだんと眠くなってきた。

 最近私がハワイ行きでいつも利用している導眠剤は「デパス」という名前だ。習慣になるのは嫌なので、いつも一錠だけ医師に処方してもらっている。

 「眠いなあ、でも機内では眠れないんだよなあ」と思っているうちに寝てしまったらしく、気がつくとハワイ時間8時半だった。日本時間なら夜中の3時半であるから、およそ4時間ほど眠れたことになる。おかげでハワイ第一日目は快調だった。ただ想像以上に機内が薄ら寒く、今回Tシャツ一枚で搭乗したのは失敗だった。 



ハワイ到着


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