第十日目 コ・アロハのウクレレ工房へ 

 通りを歩き、看板のある所を左折。すると・・・目の前は単なる駐車場でした。「おいおいそれはないだろう」と思いつつ、「看板は出ているんだからこの奧にあるのかな」と考え、周囲に誰もいないのを良いことに、工場街のようなところをどんどん奧に歩いていきます。

 しかし歩いても倉庫みたいな物が立ち並ぶだけで、「本当にココで良いのかな」とまたまた不安になります。それでも構わず進んでいくと、ついに一番奥の建物が見えてきました。そのとき一番奥の建物の右側に、先ほどの看板と似たような文字を発見。
コアロハ ウクレレ工房
 恐る恐る近づいてみると、金網越しにウクレレを作っているらしい工場が見え、すぐ近くに目の大きいおっかなそうなおじさんが一心不乱に働いていました。「え、こんなところが工場なの?」とさらに不安が増加。

 ネットでの説明では、工場の横に店があって、ツアーも行われていると書かれています。目的はこのツアーへの参加です。もちろん予約はなく飛び込みですから、参加を断られてもしょうがないと思っていましたが、それ以前に店の場所が分かりません。

 「もしかしてお店の入り口は、この裏手になるのかな」と思い、おっかなそうなおじさんに「入り口はどこでありましょうか」と尋ねてみました。すると「すぐそこに入り口があるからそこから入りなさい」と言います。
コアロハ ウクレレ工房
 何と目の前の金網の右側に、これまた金網で囲われたドアがあり、その横に「ENTRANCE」と書かれていました。「これじゃあ、事情を知らない日本人のお客さんはびびって誰も入らないのでは」と思えるような入口です。

 指定されたドアを開け、店内に入ると、そこは工場の一角に作られたウクレレ展示室のようで、壁には10本ぐらいのウクレレが飾られ、奧には小さなステージも作られています。

 「ふ〜ん、こんなところなのかあ」と思ってウクレレを眺めていると、先ほどのおじさんが工場の方からやって来て、英語で「今日は何の用?」とか聞いてきコアロハ ウクレレ工房ます。そこで「工場のミニ見学ツアーに参加したいのでありまする」と答えると、私の英語のひどさにびっくりしたのか、「ほんじゃちょっとココで待っててね」と言い残して、2階へ。

 見かけはおっかなそうですが、口調は軟らかく、なんか親切そうなのでほっとしました。しばらく待っていると2階から、ひげをはやしたいかにも人の良さそうなおじさんが登場。

 「この工場のパパです」と自己紹介。私はこの時点では、ほとんど予備知識無しで訪れていましたのでまったく知らなかったのですが、この方こそ「コアロハ」のウクレレ工房の責任者である「Alvin Okami」さん、ご自身でした。

 実はこの方、ウクレレ界ではかなり有名な方で、日本のウクレレ雑誌でも写真と共にあちこちで取り上げられています。しかしそのことを知ったのは、帰国後にウクレレ雑誌を見に、本屋さんに行ったときでした。とうわけで、このときはまったく先入観なしにパパさんと対峙したわけです。

 しかしそんなパパさんですが、自分自身が有名人であることなどまったく気にしていないようで、突然予約もせずに闖入した、英語もよく理解できない、ウクレレもまったくの初心者である私を、心底歓迎してくれている様子がよく分かりました。

 で、この方は日系の3世なんだそうですが、日本語はほとんど話せないので申し訳ないと言いつつ、結構流暢な分かりやすい日本語で説明してくれました。(続く)

 それによると、今日は自分より日本語を話せる奥さんが所用でいないため、私のような(英語をろくに話せない)客が来たときの対応に困っているんだと率直に話してくれました。

 またツアーは10時から始める予定で、それまでに他のお客さんも来るかもしないから、壁に掛かっているウクレレを自由に弾いて待っててね、と言われました。と言われてもコードすら知らない私は何も出来ず、(ギターの知識はあるので)ポロンポロンと弾くぐらいです。



実際に弾いてみるとへ


2010年 ハワイ旅行記


表紙に戻る