ホノルル・スクリーマー

 ようやく出航です。動き始めたと思ったら、スピーカーから小気味の良い(私にはちょっと辛い)ロックがかかります。

 ケワロ湾の中はゆっくりと、エンジン音もアイドリングのような響きでしずしずと進みます。ふむふむこんなもんかと思っていると、港を出た瞬間スピードアップ。よ〜し、これが高速モーターボートの醍醐味だ、と思った瞬間、船はいきなり前のめりになるように急停車。

 その瞬間船の前方から滝のような海水が、乗客全員に一気にザッバ〜ンと降り注ぎ、あっという間に頭からずぶ濡れ状態に。どうやらこれが濡れるという警告を意味していたようです。

 全く予期しなかったことだけに、みんな一瞬呆気にとられていましたが、これが予定通りの行動なんだと分かった瞬間、一気に爆笑。あっという間に船内すべてが興奮状態です。

 一同ずぶ濡れ状態から気持ちを入れ替えた頃、船はワイキキ沖に向かって高速クルージング。前からの風が強く、ほっぺたが後ろに引っ張られ、さらに濡れたTシャツが肌に張り付いて、ものすごく冷たく感じます。

 こりゃまいったなあ、と思った瞬間、おじさんが笛をピーッと鳴らします。一同条件反射で前後の支持棒を力任せにぐっとつかむと、その瞬間船は急角度で旋回。噂の360度スピーンターンです。

 船はぐいっと傾き、あまりこのような経験のない人はびっくりすると思います。(私は釣り船で経験あり)ただ急旋回の遠心力はなかなかのもので、確かに指示棒につかまらないと体を支えられません。

 360度旋回がうまくいくと一同両手を挙げて、大声で「イエーイ!」と叫びます。この瞬間の写真が広告に使われていますね。さて目指すはワイキキ沖ですが、そこに至るまでに数回の360度ターンを繰り返します。

 ワイキキ沖に到達すると船は速度をうんと落とし、ここで記念写真の撮影タイム。カメラを取り出しあちこちで記念撮影。ついでに席を移動します。

 記念撮影後、船は再び高速モードに入り、360度ターンや、急停止ずぶ濡れパフォーマンスを繰り返し、最後まで乗客を楽しませてくれます。そして気がつくと船はケワロ湾近くまで戻っていて、静かに湾内へ。

 一同ずぶ濡れ状態で下船。桟橋を進むと、乗船時に撮影した記念写真を売っていました。結構写りが良く、値段は15ドルだというので買ってきました。

 というわけで、事前の予告通りずぶ濡れになってスピンターンを存分に楽しめたわけですが、座席については濡れない場所はありません。ともかく後ろから前までまんべんなく濡れますので、乗船する人は十分な心構えと着替えが必要です。

 しかし息子はもう一度乗ってみたいと言っていましたし、私もそう思います。日頃ストレスがたまっている人は是非乗ってみてください。気持ちがすっきりします。スピンターンも船が沈没するような危険な所までは傾きませんので安心してください。ジェットコースターの方がよほど怖いです。



「何をしよう」(海関連)


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