2005年、ハワイのビーチにも慣れてきた。すると欲が出てきた。クヒオ・ビーチの沖では、いつも朝から数名のボディ・ボーダーがいとも易々と波に乗っている。またクヒオビーチ東側の堤防のさらに水族館側でも老若男女がボディボードを楽しんでいる。見ていると、沖から波が来る時を見計らって岸に向かって必死にバタ足をすれば、あとは波が運んでくれる遊びのようだ。
泳げもしないのにうまくいくのだろうか、という疑念は常につきまとうが、やってみないことにはうまくいくかどうかも分からない。そんなとき普通なら最初はレンタルで、と考えそうなものだが、節約志向の我が家はレンタルよりいっそ買ってしまった方が安く付くぞ、と余計なことを考えてしまう。
というわけで息子もだいぶ大きくなったしと、勝手な理屈をつけてウオルマートへ。どのサイズが良いのか、なんてことは一切分からない。まあいいや、ある程度のものを買えばなんとかなるだろう、どうせ遊びだし、なんて考えて24ドルぐらいのものを選び、いかにも俺はボーダーなんだぞという顔をしてレジへ。
それを持って早速「サンデービーチ」となれば、これは出来る奴だな、と思うかもしれないが、さすがにそんなことはできない。翌日先ずはクヒオビーチへ持って行った。「えっ!」と思う人が多いだろう。そう、クヒオ・ビーチは波がないのだ。「じゃ、何のために?」となるが、要は息子が持って行きたがっただけだ。ともかく使ってみたかったらしい。
しかし結局手で水をかくとやけに早く進むといくことを確認したのみであった。さらに数日後、今度はカイルアで挑戦。このときは本格的に波に乗るべくがんばったが、バタ足が弱いのか、波の方が通り過ぎてしまう。
さて次は2006年だ。旅行記を参考にしながら当時の様子をまとめてみると
バニアンに戻ったのが2時半。ちょっと休憩しても夕食までにはまだかなり時間がある。ハワイ滞在も残り少ない。というわけで、短時間ながらボディボードに挑戦することにした。場所はワイキキポリスのちょっと西側。カタマラン乗り場の近くだ。この付近は意外に遠浅で、絶えずおだやかな波が来る。
ブギーボードとボディボードはどこが違うのか、いまだによく分からないが、とりあえずボディボードに今年は統一しているつもり。波うち際で、サーフボードの半分ぐらいの大きさのボードに半身をのせ、波と共に岸に向かって滑るスポーツ?なのだが、これが案外難しい。
サーフィン同様、波の頂点から滑り降りることによって移動するのだが、だいたいが波の速さが早過ぎて、あっという間に頂点を通過してしまう。通過させないために波が来たらあらかじめバタ足等によってボードに推進力をつけてやる必要がある。
今回は、昨年購入し、今年わざわざハワイまで運んでいったボードを使う。どんな波に乗れば良いのか、なんてことはさっぱり分からない。まずは闇雲に波が来るたびに岸に向かってバタ足。しかし、波が近づく、必死に足を動かす、体が持ち上がる、そりゃ行くぞ、と思った瞬間体は波間に沈み、すでに乗ろうと思っていた波は遠ざかりつつある。これの繰返しだ。
最初は波打ち際でやっていたが、徐々に沖のほうに移動する。付近では5歳ぐらいの女の子が、親の指導のもと、器用にボードを乗り回している。それを横目で見ながら、50代のおじさんはがんばった。でもやっぱり乗れない。
ところがである。突然息子が乗れてしまった。ボードは交代で使っていたのだが、ある時少し大きめの波で、必死にバタ足。すると息子の体が波の頂点に達したと同時にそのまま岸に向かって進んでいくではないか。おお、やるじゃん。沖に取り残されるおじさんは見送るだけだ。
結局そのまま砂浜まで行ってしまい、うれしそうに戻ってきた。どうやらコツが分かってきたらしく、その後も何回か乗る事ができた。親としてはうれしいが、自分自身が乗れていないので、思いは複雑だ。やはりバタ足のキック力の差なのかなと思う。
息子によると、乗っているとき、乗ろうとして取り残されている人の間をすり抜けていくのが、なんとも楽しいとのことであった。確かに言われてみればそうかもしれない。
この年、実は帰国後伊豆の白浜で再度リベンジを試みた。すると・・・なんと乗れてしまったのである。いやあ、あの感覚は鮮烈だった。ボディ・ボードの楽しさがよく分かった。しかしその後2008年にもハワイで試みたが、やはりハワイの波とは相性が悪いのかうまく乗れない。
そして2009年はボディボードを諦めて、ついにサーフィン挑戦となってしまった。ちなみにボディボードにしろサーフィンにしろ、眼鏡をかけないと前方がよく見えない私には、厳しいスポーツだなと言うことがよく分かってきた。
波の中で転げ回ると、かけていた眼鏡がどこかにすっ飛んでしまうからである。だからといってかけずにサーフィンなんて恐ろしくて出来ないのだ。