クレーターロード

クレーターロード

 次にバスはクレーターロードに向かった。キラウエアから南東に海岸まで延びている道で、途中数々のクレーターを見ることが出来る。残念ながら今回は一つ一つ降りて確かめるわけにはいかず車窓から眺めるだけであるが、非常に数が多い。ガイドさんの案内に従って乗客は右に左に身を乗り出すように周囲を眺めている。早朝からの眠気を感じている暇がない。

 外輪山の最高点から海に向かって降りていく道は非常に気持ちがよい。途中大型バスが何台も停まっている駐車場を通過するが、普通のツアーはそこまでで引き返すそうである。なんとなれば、その先はバスがユーターンするスペースがないからだそうだ。これも小規模ツアーの強みと力説していた。

 さらに進むと遠くの方の陸と海の境目に白い噴煙が上がっているのが見えてくる。天気が悪いとあまり見えないのだそうだ。朝降っていた雨もいつのまにか上がり快晴となっていた。さて、この噴煙は、まさに溶岩が海に向かって落ち込んで、その時生じる海水の水蒸気なんだそうである。これだけ遠くから見てもはっきりわかるので、規模は相当大きいに違いない。

キラウエア溶岩
キラウエア 溶岩ロード終点
キラウエアロード 終点

 周囲は黒い溶岩だらけである。それがうねり、押し寄せ、重なり、その上にまた新しい溶岩がかぶさり、と大変なことになっている。今日は実際にその上を歩ける、ということなので期待して終点を待っていた。

 ちなみにこのあたり、当然だが人家は1軒もない。従ってガソリンスタンドもなければ公衆電話もない。レンタカーの場合は相当事前の注意が必要、との事である。

終点

 2時20分、ついに終点が見えてきた。(右の写真)小さな小屋が見え、左側には路上駐車の車の群。バスは小屋のそばで我々を降ろし、手近な路上に時間を決めて戻ってしまった。たしかに乗用車がようやくUターンできるほどのスペースしかない。

 道路に降りて、小屋の右側をすり抜け、10m程の所で道が溶岩に断ち切られている。これは印象的なシーンだ。

 溶岩の所々に立っている標識を元に、ガイドさんに示された場所まで歩いてみる。先ほどの水蒸気がよく見える場所なのだそうだ。歩く途中、ねじ曲がった溶岩の奇怪な姿を堪能する。

 試しに触ってみると、ざらざらした感触で、黒い軽石のようである。一部を持って帰りたかったが、それは禁止されている。岩自体がすでに熱い。ずーっと触っていると熱さと共に地球の息吹を感じる。

 指定された場所に近づく頃には汗が噴き出している。上からは太陽、下からは地熱で、ともかく暑い。湿気がないのが幸いしている。他の場所もうろついてみたかったが、中には溶岩の下が空洞になっていて、そこに落ち込んでしまう事故がある、との事であった。適当に切り上げて、道を引き返す。



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