第十一日目 ついにウクレレ購入

 午後2時頃に「コアロハ」到着。ところが金網のドアには鍵がかかっています。「遂に購入を決心してここまで来たのになんたることか」と思いきや、私がドアをガタガタやっている音を聞いて、中から鍵を開ける音が。

 どうやら「もうお客さんなんて来ないだろう。それだったら開けっ放しは物騒だから鍵を掛けておこう」というつもりだったようです。

 鍵を開けてくれたのは、どうやら工場で働いている従業員さんで、すぐに2階に行ってしまいました。日本語は分からないみたいなので、助っ人を呼びに行ったのだと思います。

 そして2階から降りてきたのはパパさんの長男で、「今日はパパさんも出かけていて、日本語を話せる人が誰もいない」と言います。そこで「昨日ここへ来て、パパさんからいろいろ説明を聞いた。で、今日はもし気に入った楽器があれば買おうと思って来た。ギターは弾けるので、多少の知識はある」みたいなことを、たどたどしい英語で説明。

 すると、こちらの説明が分かってくれたのか、「それじゃ早速どれがいいか選んでね」と言うので「ギターの経験はあるけど、ウクレレは初めてなので、ビギナー用はどれかな?」なんて聞いてみると、「じゃ、これはどう?」と言いながら、展示してあるソプラノウクレレを手にとって、ジャンジャカ鳴らし始めました。

 「う〜ん、ずいぶん明るい音だね〜」なんて言うと、うれしそうに「コアロハの特徴は音の鳴りが良いことだからね」と言いながら、今度はソプラノより一回り大きな「コンサートウクレレ」を手にとって、同じように弾いてくれます。
コアロハ ウクレレ
 「ふむ、ちょっと音が違うね。こっちの音の方がソフトだ」と言うと、「その通り、こっちはコンサートウクレレと言って、さっきのより一回り大きくて、音も少し柔らかいんだよ」と満足そうに説明してくれます。

 「なるほどねえ、個人的にはこっちの音の方が好みかな」とか何とか言うと、「そうか、それじゃちょっと待ってて」と言って、2階へ。

 しばらくすると、2階から新たなウクレレを持って降りてきました。「これもコンサートなんだけど、こっちの方が良いかも」なんて言いながら弾いてくれるので、「う〜む、わざわざ2階まで行って持ってきた物なんだから悪いはずはない」という妙な理屈をこねくり回しながら、音を聞いてみると、確かに明るく力強い音で、良く鳴っています。

 そこで、「これはいったいいくらなんでしょうか?」と尋ねると、「え〜と、これは・・・と言いながら張り紙を見て、コンサートだから560ドルだね」と言います。ソプラノなら360ドルぐらいですが、一回り大きい楽器は値段も一回り大きくなってしまいました。(ちなみに定価はコンサートが780ドル、ソプラノが560ドルぐらいです)
コアロハ
 でも、じゃあソプラノにするかというと、私自身が感じる、音の雰囲気、好みは明らかにコンサートが勝っています。そもそも楽器を購入するときは、お金が無尽蔵にあれば別ですが、普通はたまたま出会った楽器にインスピレーションを感じるかどうか、というのが最終的な購入の決断になります。

 その意味では、先ほどのコンサートの音に惚れたというインスピレーションがあったので、後は価格の問題だけです。560ドルを日本円に直すと、約5万円。「どうしよう?欲しいなあ、でも貯金が・・・」と悩みます。

 しかし、まあある意味ここでの逡巡は自分を納得させるためのポーズかもしれません。内心は「買っちゃえ」と、もう結論は出ているわけです。

 それに気がついたので、「じゃあ、これを買います」と決心。ついでに運搬用のハードケースもつけてもらい、クレジットで購入。

 購入手続きをレジでやワイキキ サンセットっていると、なんと用事で外に出ていたパパさんが戻ってきました。私の顔を見るなり「やあやあまた来てくれたんだ」と握手。

 私が実際に購入したことを知ると、応対していた長男に昨日の経緯を早口の英語で説明し、「いやあ本当に買ってくれてありがとう。一生の友達になることを保障します」みたいな事を言われました。

 さらに、なんとご自身が歌っているCDにサインをして、プレゼントしてくれました。大感激して、大事に抱えてバスで部屋に戻り、さりげなく音を出してみると、いかにもハワイの青空を思わせる音が出て、さらに感激。

 そんなわけで、この日は部屋でウクレレをいじるため、サンセットを見学後、夕食はウルフギャングエクスプレスでピザを持ち帰り。



お土産購入へ


2010年 ハワイ旅行記


表紙に戻る