第十日目 ウクレレ工場見学ミニツアー 

 いい気になってポロンポロンとかシャカシャカと弾いていると、いつのまにか10時になっていました。ツアー開始の時刻です。しかし私以外には誰も現れません。「こりゃ、今日のツアーは中止か、しょうがないな」と諦めかけた頃、2階から足音を立ててパパさんが降りてきました。

 パパさん、使い慣れない日本語を考えながら話してくれます。私の方から、ギターは弾けるので多少の知識はありますと申し出ると、多少安心したようで、他に誰も来ないけどツアーを始めましょうと言い、工場の方へ移動です。

 結局マンツーマンのミニツアーになってしました。工場といってもそれほど広くはなく、学校の教室1クラス分ぐらいです。最初の説明がコアロハのウクレレの基本になっているコアウッドの木の選別方法です。

 ウクレレの音の基本は、この木の材質によって変わりますが、コアはひじょうに堅い木で、ウクレレに向いているようですが、近年許可された物以外伐採が禁止され、値段はどんどん上がっているようです。

 この木の中で、ウクレレに適した木を選別しカットするのが一番大事で、それが現在長男の仕事になっていると教えてくれました。この辺りはある意味職人芸が要求されるようで、木の木目、密度、色等をうまく組み合わせていくようです。

 続いて、選んだ木材を薄くスライスする仕事の紹介です。このスライスは機械で行っていますが、一定の薄さにするために、パパさん自身が機械にいろいろな工夫をしたと言っていました。ある意味自慢めいた話しにも聞こえますが、それだけの自信を持っているとも言えそうです。

 実際にその場でスライスして見せてくれましたが、厚さをノギスで測ると、どの板のどの部分も同じ厚さにきちっとスライスされていました。

 これらのスライスされた板が表板や裏板、側板になります。続いてネックです。これまたスライスした板にギターと同じような、フレットと言われる金属をはめ込むために刻みをつけます。この刻みをつけるのは昔は手作業だったけど、今はパパさんの発案の機械で行うようになり、工期が短縮できたと言っていました。

 実際その場で板に刻みを入れてくれましたが、ものの数秒で完成。工場見学のお土産だと言って、それをそのままプレゼントしてくれました。次にこの刻みに金属を入れれば、いわゆるフレットが完成します。

 続いて今度は側板をどのようにウクレレの形に曲げていくのかという説明です。薄くスライスした板を30分ぐらいお湯につけてから、少しずつ曲げていくそうです。最後に型枠に入れて放置。これで側板が完成。

 側板が出来たら表板と裏板、側板を組み合わせて接着し、これも型枠に入れて保管。このとき実はウクレレの内部にコアロハ独自の補強を入れるそうです。これは他のウクレレにはないもので、強度が増すけど響きには影響が出ない物で、これもパパさんの工夫だと言っていました。

 実際に手近のちょっと失敗気味のウクレレを一本手にとって、その上に自分自身が乗り実演してくれましたが、箱自体はなんら破損することなくパパさんの体重を支えていました。

 最後に仕上がった状態のウクレレに塗料を塗っていくようですが、これも塗って乾燥を何回も繰り返すそうで、手間暇がかかることがよく分かりました。

 というわけでミニツアーが終了。ミニといいながら、説明に気合いが入り結局1時間が経過していました。いったん先ほどのお店に戻り、完成した物はこんな音がするんだといって、パパさんがいきなり演奏。さすがにうまいし良い音がします。

 素晴らしいですねとお世辞ではなく本気で言うと、ますます気分が乗ってきたのか、それじゃ秘蔵のウクレレを見せるからと、本来入れないような2階にあるパパさんのオフイスまで連れて行かれ、パパさんが独自に開発したという、ジュークボックス方のウクレレ等を見せてくれ、演奏もしてくれました。(まだまだ続きます)


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