第十日目 ウクレレを弾いてみると 

 それによると、今日は自分より日本語を話せる奥さんが所用でいないため、私のような(英語をろくに話せない)客が来たときの対応に困っているんだと率直に話してくれました。

 またツアーは10時から始める予定で、それまでに他のお客さんも来るかもしないから、壁に掛かっているウクレレを自由に弾いて待っててね、と言ったかと思うと仕事が忙しいのか再び2階に行ってしまいました。つまり私一人だけが、お店と思われる空間に取り残されたわけです。

 このままウクレレを持って外に出かけてもまったく問題ないような状況で、逆に言うと完璧に信頼していると言うことでしょうか。

 さて一人取り残されてしまった私ですが、この時点ではコードすら知らないので何も出来ず、(ギターの知識はあるので)渡されたウクレレをポロンポロンと弾くぐらいです。誰もいないのでどんな音を出しても気兼ねがいりません。しかしこのときはどの弦がどんな音階なのかも知らず、ただ単に弦をはじくだけです。

 ところが弾いてみるとこれがまた実に良い音です。まあギターを弾けるので(フォークではなくクラシックギターです)、弦楽器の音の響きについては多少知識がありますし、ギター用にそれなりにいつも自分のツメには気を使って手入れをしています。(ツメの先端をヤスリできれいに磨いて、弦を摩擦なくはじけるようにしています)

 というわけで、手近に置いてあった売り物の教則本をちょっと立ち読みして、開放弦(何も押さえない状態で弦をはじきます)の音を確かめ、ハ長調の音階なんぞをポロンポロンと弾いていると、なんだかいかにもハワイアンを弾いているような気分になってきます。

 音階が分かれば弦のチューニングも出来ます。ギターよりチューニングは繊細だと教則本には書いてありましたが、実際その通りで微妙な手加減を要求されます。

 チューニングがあったところで、今度は「ウクレレプアプア」で教えてもらった初心者用コードのCやG、D7というコードを思い出し、人差し指でジャラ〜ンと鳴らすと、気分はもはやハワイアン。

 さらにフォークギターの要領で、人差し指を使ってアップダウンを繰り返すと、なんとなく様になってきます。「う〜ん、これはいい。こんなにいい音が出る物なのか」内心のつぶやきです。この時点でこれまで抑制してきた購買意欲がぐっと傾きます。

 さらに渡されたウクレレ以外に、その近辺にいろいろな大きさのウクレレがあります。ここに来て初めてあまり意識していなかったウクレレの大きさに関心を持つことが出来ました。

 どうやら大きさには4種類あるようで、一番小さいのが「ソプラノ」、その次が「コンサート」、「テナー」「バリトン」と続きます。この中で初心者が選ぶのは「ソプラノ」と「コンサート」のようです。(教則本からの知識です)

 「ふむふむ、大きさ以外に違いはないのかな」と思いつつ、それらのウクレレを詳細に観察していると、すぐそばに値段表が貼られていました。「た、高い。でも安い」矛盾してます。

 そこに書かれていた値段表は、ワイキキ近辺での正規料金と、ここの工場で販売している価格の比較表でした。当然ながら一番安い価格を最初にチェックすると、「ソプラノ」がこれに該当して、記憶に間違いがなければ550ドルが380ドルと書かれています。

 日本円ならワイキキで買うと50000円だけど、ここで買えば34000円ぐらいです。先ほど「高い。でも安い」というのは、この価格表を見たからです。計算してみると、だいたいどの楽器も3割引ぐらいになっています。(続きます)
 


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