最終日 後ろ髪を惹かれる思いで帰国

クヒオ・ビーチに別れを告げる

 生まれて始めての超超ロング・バケーションが終了する日になった。長かったといえば長かったが、到着した日を振り返るとあっという間だ。まだまだ2回3回と行ってみたい所があったし、予定していながら行けなかったレストランが山ほどある。

 もっといたい、とハワイ入りした誰もが思うはずだ。しかし滞在すればするほど出費は増え、ハワイの癒しの雰囲気に浸りきってしまえば職場復帰も難しくなる。帰らねばならない。

 朝は5時半に目が覚めた。いつもより早い。出発まではまだかなり時間がある。冷蔵庫には若干の食べ物と飲み物以外何も入っていない。足りない分をABCで買うことにして、まだ寝ている家族を残して単独でクヒオ・ビーチに出かけた。毎日毎日歩いた道だが、時間が過ぎれば過去の道だ。記憶の中にしか残らない。記憶もいつかは消えていく。それが不安で長々とした旅行記を書いているのかもしれない。

 人気の少ないビーチで右を向いたり、左を向いたりしながら、今年最後のクヒオ・ビーチの写真を撮る。「あ〜あ、もう帰国かあ」と思いつつ「来年もなんとかして来よう」みたいな決心が芽生える。

 ハワイに始めてきた観光客のように周囲をキョロキョろ見回す。滞在が長かった分、何やら感じるものがある。ハワイに今も住んでる神々からの呼びかけかもしれない。帰りがけにABCで最後のお土産である「携帯ストラップ」を購入。部屋に戻って朝食。


レンタカー返却

 荷物の整理は終了している。パンパンに膨らんだスーツケースと、これまた目いっぱい詰め込んだ各自の手荷物が4個。これに車椅子という大きな荷物が加わる。これが果たしてレンタカーのトランクに納まるんだろうか。納まらなかったらどうしよう。最後の難関だ。

 バニヤンを出る時間にはまだ早いが、入るかどうか試してみないといけない。今回この日のためにわざわざ車のグレードをワンランクアップしたのだ。入らなかったらアップした意味が無い。

 先ずスーツケース2個を駐車場まで運んだ。トランクに入れてみる。これはぎりぎりだが何とか入った。再び部屋に戻り車椅子を持ってくる。しかし予想通り?車椅子はたたんでもかなりの大きさで、スーツケースの入ったトランクには入らない。スーツケースの向きを変えたりしても駄目。

 思い余ってスーツケースを1個取り出し、これでどうかと試みるがこれも駄目。困った。よし後ろの座席を前にスライドさせたらどうか。駄目。後ろの座席の背もたれ3分の1を前に倒し、トランクルームと直結させたらどうか。しかしこれも駄目。まいった。汗を吹き出させながら、いろいろな組み合わせを考える。

 スーツケース2個はトランク。車椅子は後ろの座席はどうかとも考えたが、人が乗れなくなってしまう。息子は「俺がトランクに入る」とか言ってくれるが、それはさすがに出来ない。

 結論。車椅子はトランクに入れる。2個のスーツケースは後ろの座席のなるべく窓側に押し付けて入れる。人間は残りの空間に息子と連れが座る。助手席は母親、という配置になった。後ろは実に狭い。息子がやせ方なのが幸いだ。実際に乗車している時間は30分弱だから、なんとかこれで我慢してもらうしかない。

 窮屈な思いをしながらホノルル空港に向かう。H1はダウンタウンまでが若干混んだが、渋滞はほとんどない。ホノルル空港への分岐の側道に入り、さらにレンタカー返却の看板を目印に進む。空港前の道をいったん通過し、そのまま左に回りこんでいくと返却場所があった。

 すぐに道具を下ろし、係員のチェックを受ける。問題なしということでシャトルバスを待つ。すぐに来たので乗り込み空港へ。ひじょうにスムースだ。あまりにうまく行き過ぎて早く着きすぎてしまい、チェックインまでしばらく待たされてしまった。


帰国へ

 スーツケースを預ければ手荷物だけになり動きが楽になる。手荷物検査はさすがに厳しい。帽子をとり、靴も脱がされた。しかし手荷物の中身をかき回されることはなかった。早速空港中央のメインランド方面ゲートの近くのレストランで休憩と2回目の朝食。さらにルアナ・ラウンジで休憩。このルアナ・ラウンジは来年はもう利用できないようだ。

 11時半ゲートへ。11時40分ちょっと前に係員が「優先搭乗となりますので用意を」と伝えにきた。待っている人には申し訳なかったが、先に乗せてもらった。車椅子は行きと同様にどこかへ持ち去られた。後は離陸を待つのみである。定刻に離陸。窓から見えるワイキキの街、ダイヤモンド・ヘッド、ココ・クレーターに別れを告げる

 後はじっと耐えるだけだ。なんだかんだといろいろあったが、無事帰国までこぎつけた。最初の数日トラブルが数回あったが、それ以降はひじょうに順調な旅行だった。あちこち行って、いろいろな場所で拙い英会話を試みて、良い経験もたくさん出来た。この思いは是非旅行記に残しておきたい。

 そんなことをビールを飲みながら、とりとめも無く考えていた。今回はまれに見る長い長い旅行記になってしまった。誤字脱字、饒舌、冗長、勘違い、いろいろあると思いますが、あえて意識して次に行く人の参考になるよう、いろいろな場所への行き方を詳細に書かせてもらいました。

 ここまでお付き合いただきありがとうございました。読んでくれた皆様方の次回の旅行の参考になれば幸いです。なおこの後、旅行記とは別に今回宿泊したバニヤンの部屋の紹介、購入した、またはもらったお土産なんぞを写真で紹介する予定です。



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