出発にあたって(車椅子、バリアフリー)

今回の旅行には今までにない条件がついてしまった
 
 今回は連れの母親、連れ、息子の三世代4人旅行だ。母親は80歳近いが一人であちらこちらでかけることが出来、今回のハワイ旅行を楽しみにしてしている。

 ただし当たり前だが英語はまったく駄目。ワイキキやアラモアナ周辺ならなんとかなるが、それ以外では単独行動は難しい。

 連れは昨年より大病を患い、昨年のハワイ旅行は断念。今年も療養中であるが、体調が良いこと、本人のハワイへの強い思い入れから病院の医師を説得し、ハワイ行きにこぎつけた。

 主治医の先生は、当初旅行中の突発的な体調不良への対応にかなり心配をしてくれていた。結局滞在中に何かあった場合に備えて特別に英語の診断書を書いてもらうことで許可が下りた。

 ここで私が大決断。本人は短い距離なら歩くことが出来る。しかし改めて考えてみると、成田空港やホノルル空港の出入国では、かなりの距離の歩行を強いられる。

 現地でもクヒオビーチへの散歩をしたいだろう。とそこまで考え、今回は本人の体への負担を考えて車椅子を利用することにした。合わせて旅行中の初日を除いた全期間、移動はすべてレンタカーで行うことにした。初日のみはずしたのは、睡眠不足が予想されるので、運転は難しいなという判断だ。


車椅子の業者選択

 旅行開始一ヶ月前ぐらいにネットで車椅子業者を検索。市の福祉事業で短期のレンタルを無料で行っていることも分かっていたが、これらの車椅子はかなり大きく、強固な構造になっていて、持ち運びが不便であることが予想された。

 条件は一ヶ月の貸し出し、なるべく小型で軽量、自力走行も可能、もちろんレンタル料が安いこと。これらの条件をクリアして選んだのは栗原医療器械という業者。早速電話して予約を行った。旅行数日前に届けてくれることが決まった。

 レンタル料は6000円。他にもいくつか検索したが、だいたい6000円から8000円ぐらいのようだ。ただ我が家から近くで軽量のものを扱っている業者は少なかった。介護保険等が適用できる場合、この値段はさらに10分の1になる。

 車椅子を利用することは予想もしていなかったことだが、期せずしてバリアフリーの旅行となった。

 ハワイでは欧米人が車椅子を利用して自由にカラカウア通りを走行しているのを以前から目撃しているので、車椅子利用についての不安はほとんどなかった。(ただし日本人の車椅子利用者はあまり見かけない)また私自身学生時代ボランティア活動で車椅子を扱っていたため、利用への躊躇いはなかった。

 しかしながら実際の旅行では何が起こるかわからない。今回もこの車椅子については到着早々思わぬトラブルに遭遇し、現地の人の親切に感謝する事件があった。それはまた後述する。


息子について

 息子についてはほとんど心配していなかった。本人もハワイに行く気満々である。ただ中学2年であるため、当然ながら部活がある。これについては私から顧問の先生に旅行のためかなりの期間欠席することを文書で伝えた。

 また旅行中は母親の車椅子を押す係りに任命した。「分かった」と言い、実際旅行中のほとんどの期間車椅子を押してくれたので、私の負担はかなり減った。思わぬところで息子の優しさとたくましさを感じたしだいである。

 最初の数日はちょっとした段差やエレベーターでもたついていたが、段差の越え方、エレベーターの入り方、たたみ方にはすぐ慣れたようで本当に助かった。


荷物について

 さて車椅子という大きな荷物が増え、さらに老人が加わり、連れは車椅子に乗るという状況を改めて考えて、愕然としたことがある。それは荷物の運搬だ。

 到着してしまえばそれほど問題はないが空港内やバニヤンでスーツケースや手荷物を誰が運ぶのかということだ。今回は中型のスーツケース2個と車椅子、さらに各人が手荷物1個ずつという構成になった。結局非力で日頃運動不足の私がすべてを担うことになってしまった。

 そのような事情もあって、成田空港までは自家用車を使い、空港受け渡し業者であるフレンドパーキングを選んだのである。また初日のホノルル空港からは、すぐにタクシーに乗ってしまえば、レンタカーブースに送迎されるより負担が少ないと判断した。



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