イミグレーション

 昨今の戦争やテロの影響で、毎年毎年イミグレーションが強化され、審査に時間がかかるようになってきた気がする。またその審査のやり方も、かなり細かくなり、場合によってはプライバシーの侵害ではと疑われるような事も行われるようになってしまった。

 航空機の安全の確保という見地からやむを得ないことだとは思うが煩雑で不愉快な行為であることは間違いない。ただしそう考えて空港の係官を責めても意味は無い。責めを負うのはテロの実行者や戦争を行うことを決定した人々だろう。

成田出国審査

 昨年は同じ全日空利用であるにもかかわらず、いきなりスーツケースを開けるよう要求され、再び閉めるのがひじょうに面倒だった。

 今年はスーツケース内を極力整理し、開けられても大丈夫なように若干の隙間を残して審査に望んだ。(といってもパッキングは女房担当なので、私は詳細は知らない)しかしながらこちらがきちんと構えていると、どういうわけか何の指摘も無くすぐにチェックインカウンターに出向くよう指示された。拍子抜けである。もちろん今年もその場で開けられているグループが何人かあった。

 手荷物は昨年までの教訓で、X線で引っかかりそうなものはあらかじめバッグ等から出し、個別に審査を受けるようにした。代表的なものが、フィルムのケース。これはフィルム保護のためにX線を通しにくい構造になっているため、手荷物に入れておくと必ず引っかかり、そのためにすべての中身を取り出して調べられてしまう。今年はあらかじめ取り出して、係員にわかるように審査を受けたので、手荷物もまったくのフリーパスであった。

 ただし検査時に全員靴まで脱がされて5m程歩かされたのは初めての経験で、床はきれいだとは思うし短距離ではあるが、何かしら屈辱的なものを感じた。ボデイチェックでは、ベルトのバックルが大きいと引っかかるようだった。

ホノルル入国審査

 パスポートと帰りの航空券を持ち、滞在日数や目的をきちんと言うことが出来ればまったく問題はない。ただし英語で話し掛けられて、訳もわからずイエスと言ってしまうと不信を招く。

 係官は家族連れには当然ながら比較的やさしく対応してくれ、日本語で「滞在日数は?」「目的は?」とか聞いてくれるが(もちろん係員による)、滞在日数が長い一人旅には厳しいように感じられる。やはり就労や薬物、テロの問題が影響しているのだろう。

 今回我が家はまったく問題なかったが、隣のブースで一人の若者が引っかかっていた。それとなく聞き耳を立てると、どうやら滞在目的を就労か?と英語で聞かれたのに対して、よくわからないままにイエスと答え、その後間違いに気がついてノーと言い直して、そこから混乱が始まり、結局通訳が呼ばれる騒ぎになったようだ。

ホノルル出国審査

 出国する数日前にテロに対する警戒警報が出されたようで、空港周辺はかなり警備が強化されているということをバニヤンのバーベキューで知り合った方に教えてもらった。念のため出国3日前に全日空に電話を入れ、予約の確認(リコンファーム)と空港の状況を尋ねてみると、やはり手荷物検査に時間がかかっているとの事だった。

 出国当日スーツケースの鍵はかけてはいけないと言われた。不審なものがケース内にある場合は、鍵を壊してでも勝手に開けてしまうという張り紙がカウンターにあり、チェックインのカウンターのお姉さんにも同様なことを言われた。

 実際、成田で受け取ったとき片方のバックルがはずされていて、完全にではないが、隙間程度を開けて中をみられた形跡があった。おみやげで一杯一杯に詰まったスーツケースだけに、もし全開されてしまったら再びしまらないのではと気が気ではなかった。

 手荷物検査はあらかじめ教えられていた通り長蛇の列で唖然とした。それでも今日は短いほうなので早めに並んだほうがいいですよ、とカウンターのお姉さんに教えられ急いで列に並んだ。

 約30mぐらいの列だ。待ち時間は20分ぐらい。検査そのものは成田同様疑わしいと思われそうなものはすべて荷物から出し、別にして審査を受けたのでまったく問題なかった。靴も脱がされずにすんだ。

 それにしてもあの列の長さにはびっくり。個人旅行者が通勤ラッシュに巻き込まれ、空港に着くのが遅くなった場合は、気が気ではないだろう。

成田入国審査

 これはほとんど問題なし。パスポートさえあれば、いわゆる荷物の審査はない。



戦艦ミズーリへ続く


旅行記表紙に戻る


トップページヘ