「何もしない」という選択肢

 最近私は、ハワイで最もヒ−リング効果が高くなるのは、結局何もしないことだと思うようになっています。

 つまりどこでもよいので、お気に入りの場所に座って、頭の中を空っぽにしてボ〜っと周囲の景色を眺めるということですね。

 ある種の瞑想もどきではないかと思っているのですが、実はこれが凡人にはなかなかできない。一か所にじっとしていると、たとえそれが自分の好きな景色が広がっているビーチ際であっても、10分もいると飽きてきます。

 「情けないな。折角のハワイなんだから、もっとのんびりリラックスして過ごせばいいじゃないか」と我慢を続けても、まあ30分くらいが限度。

 頭の中を去来するのは、「今日の食事はどうしようか?」とか、「この後何処に行こうか?」という凡人の悩みばかり。

 さらに「折角のハワイなんだから、あれを食べよう。あそこにも行きたい」ということで、ついつい動き回ってしまいます。

 「折角のハワイなんだから・・・」というのは、その後に「何もしない」という選択肢と、「あそこに行こう」という二つの選択肢が常について回ります。

 日本では日常的に忙しい思いでくるくる動き回っていると、逆にハワイで何もしないようにしようとすると苦痛すら覚えます。

 というわけで、「何もしない」という選択肢は魅力的に見えるけど、やっぱり自分には難しいと感じることが多いです。

 ただ「何もしない」という選択肢が一番ヒーリング効果が高いように思えることは事実で、そういう気持ちであらゆる場所でのんびりするという気持ちが大事かなと思います。

 というわけで、「あ〜のんびりした時間が流れているなあ」と感じる代表的な場所が、「景色の良いところ」「ビーチ際」「景色を見下ろせる高い場所」「サンセットの海」といったところ。

 しかし中には、何のことはない場所でのんびりした時間を感じることもできます。個人的な感覚ですが、朝目覚めたときのベッドの中

 朝食以外、「何かをやらなければならない」という拘束力は全く感じないので、自分が希望するだけベッド内にいられる。この時の感覚は、ハワイの青空が広がる空をベッドから見上げることができると最高です。

 さらに私の場合は、毎朝コンドミニアムのラナイに出て、マグカップに注いだ、ちょっと甘くて赤いグアバネクターを飲み干すのが好きなのですが、この時遠くに青い海が見えれば最高。

 次に朝食に出かけて、オープンエアのテーブルで食事をするとき。室内ではあまり感じません。ハワイの風や大気を感じながら朝食を食べ、食後にハワイアンコーヒー。この時の何とも言えないのんびりした時間が好きです。

 もう1点。このことをブログ等で書いている人はあまり見かけないような気がしますが、ザ・バスをバス停で待っている時間。特にワードやアラモアナ付近で背中に、アラモアナビーチパークの広がりを感じながら「次のバスはいつ来るのかな?」と待っているとき。

 この時スマホでダ・バスのアプリを使って、「なるほど次のバスまで10分待ちか」なんて調べてしまうと興ざめ。「いつ来るかいつ来るか」と遠くの道路を走る車を眺めているときの気持ちが実にハワイっぽい。

 結局ほんのちょっとだけ心のどこかに時間的ゆとりを感じるということでしょうか?たまに東京に出て数分おきにやってくる山手線に乗ると、ついつい気持ちもはやって、ちょっと電車が遅れるとイライラしてしまいます。

 そこへ行くと、バス停で「まあ30分ぐらい待てば次のバスが来るだろう」と青空を見上げながら考えているのが好きです。



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