ハワイアン・レールウエイ

 出発と共に、先ほどのひげモジャのおじさんが、周囲の景色を英語で説明してくれる。それはいいのだが列車自体の騒音と、アナウンスの音質が悪いため、私には雑音にしか聞こえない。時折聞こえた単語から推定すると、観光案内というより周囲の建物の名前を片っ端から説明しているようだ。何とか高校とかの名前が聞こえる。

 周囲の景色は、マウイの列車に比べると、驚くほど変化が無い。右側には山。左側は平原。海はほとんど見えない。見所は無いに等しいので、アナウンスも細かくならざるを得ないのだろう。

 踏切を渡るときは徐行して列車が先に停車する。車掌が降りて、旗を振って車に合図。車が止まったのを確認して出発。これは面白かった。さすが車社会だ。通り過ぎるとき、列車からも止まっている車からもシャカサインが交わされる。ハワイの人はのりが良い。

ハワイアン・レ−ルウエイ

 やがて周りの景色がなんとなく黒っぽくなってきた。地面を見ると焼き畑農業のような感じだ。さらに進むと、なんとなく焦げ臭い。もしかしてこれがヤブ火事の跡か、とようやく気がついた。

 列車のスピードが段々落ちてきたので、ちょっと身を乗り出して前方を見ると、消防車と煙が見えた。ヤブ火事といっても、火がぼうぼう燃える様なものではないらしい。地表近くの草がチロチロ燃え広がる感じのようだ。

ハワイアン・レ−ルウエイ

 しかしそれまで通過してきた黒い部分がすべて燃えた跡だとすると、ものすごい広範囲だ。(後日ニュースでこの火事でレールウエイが大きな打撃を受けた、との記事があった)

 列車は遂に停車。みんな身を乗り出して遠くの火事を写真撮影。ここで10分ほど休憩。車掌さんが降りてきて、列車の外から我々家族の写真を撮ったりしてくれた。

 さて、ここからは逆方向に進むのだが、座席が同じでは同じ景色しか見えない。というわけで全員が列車の中で180度まわって、ちょうど反対側の席に移動。この先、どのような景色が広がるのか、ここまではあまり見所が無かっただけに残念な気がしたが、火事には勝てない。2時過ぎに元の駅に戻ってきた。



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